2011年9月26日月曜日

山陰合銀の元融資部長「パソコンが日本を停滞させた」


img:ライブドアWebディレクターの職場環境と統計 - livedoor ディレクターブログ

山陰中央新報 - 失われた20年/パソコン全時代も素因
 官民を問わず、職場の風景、特に事務系職場において、この二十数年間で最も大きい革命的変化は、パソコンが職員一人一人に配布されたという事実だと思う。各社の社長はすべて、IT時代の到来の流れとはいえ事務系管理部門の生産性向上をもくろみ、業績向上を願って決断されたに違いない。果たして、もくろみ通り業績向上に寄与したのであろうか。

 ひょっとすると、「失われた20年」の何かの素因が、ここらに潜んでいはしないか、と素朴に思うのである。

(中略)
 影響の第2 朝から晩まで一日中、どのレベルもパソコンとにらめっこではないのか。朝のあいさつ、帰りのあいさつなどを、パソコンにしてはいないか。結果、職員が動かなくなった。本来の営業がなくなった。どの経営でも、原点というレベルの営業があるはずだ。

(中略)
 影響の第3 職場での肉声による会話が少なくなっているのではないか。隣同士のメールなど言語道断であり、職場の雰囲気が柔和すぎはしないか。厳しいことを直接肉声で指摘してくれる上司がいなくなったのか。上司がメールに入れておいたから読んでおいてくれ、ではどうか。中小組織では大いに疑問だ。

 「パソコン全時代」の到来と「失われた20年」とが起点をほぼ同時期とするが、偶然だろうか。

 筆者には「パソコン全時代」が複合的な負の素因の中の一つを担っているような気配が感じられて仕方がないのである。

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 すとう・いわお 元山陰合同銀行融資部長、出雲支店長など。元ごうぎんキャピタル初代社長。元島根大客員教授。私設・勁草文庫主宰。島根県斐川町荘原町在住。69歳。

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